- 教習所を転校することにデメリットはありますか?
- 料金やスケジュールはどうなりますか?
- 手続きや注意点も合わせて知りたいです
そんな悩みにお答えします。

この記事を書いている僕は、教習所教官として12年勤めていました。
「引っ越しすることになった」「今の教習所が嫌い過ぎて行きたくない」など、教習所を転校する理由はいろいろあります。
ですが、よく知らずに教習所を転校すると、最悪の場合は免許が取れなくなることもあるので注意が必要です。
この記事では、教習所を転校するときの注意点やデメリットについて詳しく解説します。教習所の転校で後悔しないように、料金や手続きの流れについても把握しておきましょう。
教習所を転校する3つのデメリット

教習所を転校するデメリットは、下記のとおり。
- 余計な費用が発生する
- 教習車両・コースが変わる
- 学科試験の対策範囲が変わる
教習所の転校は余計に10万円以上かかる
教習所を転向しない場合と比べて、余計にかかる費用の内訳は下記のとおりです。
- 次の教習所への入学金
- 教習料金・検定料金の差額
今の教習所に支払った入学金は戻ってきません
入学金の値付けは、教習所によってバラバラです。
入学金の内訳はこんな感じ。
- 教材費用
- 効果測定費用
- 適正検査費用
僕が勤めていた教習所の場合だと、これらの費用だけで約10万円です。転校してしまうと、この10万円は戻ってきません。
転校先の教習所にも入学金を支払わなければならないので、手痛い費用になります。
学科教習料金の返金もありません
僕が務めている教習所の場合、学科教習の料金は約5万円です。1時間も学科を受けていなければ全額返金になりますが、1時間でも受講している場合は1円も返金していません。
この時点で、入学金と合わせて15万円がすでに戻らないお金になっています。

学科教習料金の差額を返金している教習所もあるようです。
教習料金・検定料金などの差額を支払わなければならない
1時間あたりの教習料金や検定料金は、教習所によってバラバラ。1時間あたり1,000円以上高くなる教習所もあるので転校先には注意が必要です。
補習料金を支払うケースもある
教習所を転校することでコースや車両が変わり、教習の進め方も全然ちがうので、補習(追加の教習)が強制的に発生するケースがあります。
教習所を転校すると「車両」も「コース」も変わる
教習所によって、採用している車両の種類はバラバラです。多くの教習所で採用されている普通免許の車両は、下記のとおり。
- マツダ → アクセラ・マツダ教習車
- ホンダ → グレイス・シビック
- トヨタ → コンフォート・プリウス
普通免許だけで比べてもさまざまな種類の車両があり、車体のサイズや乗り心地が全然ちがうのでやりづらさを感じる場合があります。
転校先の候補にしている教習所が、どんな車両を使っているかチェックしておくのがおすすめです。
今まで覚えた「教習所ルール」が通用しない
教習所ごとの取り決めである「教習所ルール」というのが、どの教習所にもあります。
- コース内の優先関係
- ウインカーのタイミング
- その他、独自で決められたルール
こういったルールを、一から覚え直す必要があります。1段階・2段階とも半分以上教習が進んでいたら苦労するでしょう。
教習所を転校すると「学科試験の対策ポイント」が変わる
免許センターの学科試験に出題される問題の傾向は、都道府県ごとに違います。どんな問題が出題されるのかを、教習所はある程度知っているんです。
教習所では、お客さんが学科試験にスムーズに合格できるように、出題されるポイントを重点的に伝えています。
都道府県が変わる転校をする場合、これまで覚えた出題範囲がガラリと変わってしまうこともあるので注意してください。
教習所を転校するときの3つの注意点

- 教習期限は引き継がれる
- 転校できない車種がある
- 転校を受け付けない教習所もある
誰でも、どんな車種でも自由に転校できるわけではないようです。
教習期限は引き継がれる
- 教習期限とは?
- 学科教習・技能教習をすべて終わらせなければならないタイムリミットのこと。最初の教習を受けてから教習期限が発生します。卒業検定は教習期限に含まれません。
教習期限は車種ごとに違います。
車種 | 教習期限 |
---|---|
普通自動車(AT/MT共通) | 9ヶ月間 |
普通二種自動車(タクシー) | 9ヶ月間 |
準中型自動車 | 9ヶ月間 |
中型一種自動車(トラック) | 9ヶ月間 |
中型二種自動車(バス) | 9ヶ月間 |
大型一種自動車(トラック) | 9ヶ月間 |
大型二種自動車(バス) | 9ヶ月間 |
自動二輪車(普通・大型) | 9ヶ月間 |
けん引自動車 | 3ヶ月間 |
大型特殊自動車 | 3ヶ月間 |
限定解除審査 | 3ヶ月間 |
例えば、教習を3ヶ月受けて転校した場合、次の教習所の期限が残り6ヶ月になるということです。
この期間内に教習をすべて受けなかった場合、最初からやり直しになります。
転校する時期によっては、混雑していて予約が取れないケースもあるので、残りの教習期限に余裕があるかを確認しておきましょう。
仮免許の期限も引き継がれる
仮免許の期限は、教習期限よりも短い6ヶ月間になります。仮免許の期限が教習期限よりも先に切れた場合、修了検定(1段階の試験)からやり直しです。
転校先の修了検定は初めてのコースを運転するため、一度で合格するのは難しいでしょう。
転校できない車種がある
教習期限が3ヶ月間しかない車種があり、下記の車種は法律で転校が認められていません。
- けん引免許
- 大型特殊免許
- 各種限定解除審査
「転校を受け付けない」教習所もある
転校生を受け入れるかどうかは、教習所側の判断になります。
- 教習期限が残り少ない
- カリキュラムが違いすぎる
- 繁忙期で転校生を受け入れる余裕がない
こういった理由により、断られることもあることも知っておきましょう。
教習所の転校手続き3ステップ

教習所の転校を決めたなら、あなたがやるべきことはたった一つ。
これだけです。転校先の教習所が決まっているなら、合わせて伝えましょう。
転校の具体的ステップは、下記のとおり。
ステップ①:教習所に「転校したい」と伝える

受付スタッフに伝えるのが、いちばんスムーズです。
ステップ②:2つの教習所間で「勝手に転校手続き」が行われる
ステップ②であなたがやることは、なにもありません。
あなたの教習期限や、教習の進み具合を記入した「教習原簿の確認」が行われます。
- 住民票
- 証明写真
これらが返却された場合は、転校先の教習所に持参する必要があるので、無くさないようにしましょう。
ステップ③:転校先の教習所から「本人確認」の連絡がある
転校先の教習所に入校手続きする案内の連絡です。名前や住所、教習期限などの確認をしていきます。
転校にともなって住所変更をした場合は?
現住所の住民票を教習所に提出する必要があります。最新の住民票を渡しておかないと、卒業したあとに近くの免許センターで試験を受けられなくなる場合があるので気をつけましょう。
その他、「結婚して名字が変わった」などの変更点はすべて伝えてください。
教習所を転校できないときの対策方法

- 転校できる車種じゃなかった
- 転校を受け付けてもらえなかった
- 転校はできるが期限内に卒業が難しそう
こういった理由により、転校が難しいケースがあります。教習期限は延長できないので、対策できる方法はひとつです。
教習所を退校し、新しい教習所に再入校すること。
今の教習所で卒業が難しいのであれば、これがもっともベストな選択です。
早く退校するほど、返金額が多くなる
教習所を退校する場合、実施していない技能教習の料金分が返金されます。
車種 | 1時間あたりの料金(税込) |
---|---|
普通自動車(AT/MT共通) | 4,400円 |
普通二種自動車(タクシー) | 6,000円 |
準中型自動車 | 5,000円 |
中型一種自動車(トラック) | 7,150円 |
中型二種自動車(バス) | 7,700円 |
大型一種自動車(トラック) | 8,250円 |
大型二種自動車(バス) | 9,350円 |
自動二輪車(普通・大型) | 3,850円 |
けん引自動車 | 7,700円 |
大型特殊自動車 | 7,700円 |
1時間あたりの料金×残りの教習時間が返金額になります。普通自動車の場合なら、最大で13万円ほどの返金が受けられるということ。
学科教習料金を返金している教習所なら、さらに多くの返金を受けられるでしょう。
教習所を退校するなら1日でも早く
教習所を転校するのであれば、実施した教習実績は引き継がれます。しかし、退校であれば今までの教習実績は引き継がれずムダになってしまうので、早めの退校を検討しましょう。
早く・安く免許を取るなら合宿免許がおすすめ
再入校する教習所は、合宿免許がおすすめです。仮免入所も受け付けているので、1〜2週間ほどのまとまった休みが作れれば、圧倒的に早く・安く免許が取れます。
合宿免許の8つの魅力
- 通学免許より圧倒的に安い
- 最短日数で免許が取れる
- 教習延長や延泊が無料保証
- 新しい出会いが豊富にある
- 観光スポットがおトクに利用できる
- ビュッフェやご当地グルメが楽しめる
- 高級ホテルに負けない娯楽サービス
- 交通費支給があるので評判の良い教習所に行ける
合宿免許はメリット尽くしなので、人気の教習所から予約がどんどん埋まります。しかも通学とは違って合宿免許は定員制です。
合宿免許の予約は1〜2ヶ月前に済ませておくのが一般的なので、早すぎることはありません。定員に達する前に、教習所の予約枠を確保しておきましょう。

仮免許持ちで転校を受け付けてくれる教習所は、下記リンクから確認できます。
当サイトでは、教官歴12年の筆者がリサーチした人気の合宿教習所を、車種ごとに紹介しています。下記リンクから希望する車種の教習所ランキングをチェックしてみてください。
【普通免許】

17歳から合宿に参加可能です。教習所で嫌な思いをしたくない方は必見!
【小型二輪免許】

16歳から取得可能な小型二輪免許!125ccまで乗れますよ!
【普通二輪免許】

16歳から取得可能な普通二輪免許!400ccまで乗れますよ!
【大型二輪免許】

18歳から取得可能な大型二輪免許!すべてのバイクに乗れる最上級免許です!
【普通二種免許】

合宿なら最短7日間で取れますよ!
他車種は後日更新します。
教習所に「転校したいです!」って伝える