技能教習はもちろん普通二種免許の検定も担当していたので、試験官サイドの考え方や着眼点も詳しくお話できるでしょう。
この記事では、普通二種免許の一発試験を受ける流れと合格するためのコツについて、歴12年の元教官が徹底解説していきます。
普通二種免許の一発試験を考えているなら絶対に役立つ内容なので、ぜひ最後までお付き合いください。
普通二種免許の一発試験にかかる費用と流れ
普通二種免許の一発試験は、以下の流れで実施していきます。
- 申請書類の作成
- 適性検査を受ける
- 学科試験に合格する
- 技能試験に合格する
- 取得時講習を受講して免許証発行
それぞれの手順について、費用も交えて解説していきます。
手順1:申請書類の作成
まずは運転免許センター(試験場)で申請書類を作成します。申請書類の作成には税込4,800円の費用がかかるので、現金を用意しておきましょう。
試験に不合格となった場合は、新たに申請書類を作り直す必要があります。申請書類の作成費用は受験料だと思ってください。
運転免許センター(試験場)の受付時間は、都道府県によってバラバラです。最寄りの運転免許センター(試験場)のホームページで、受付時間を事前に確認しておきましょう。
手順2:適性検査を受ける
作成した申請書類を、試験受付窓口に提出します。書類に不備が無ければ、適性検査に進みます。
- 適性検査とは?
- 普通二種免許で行う適性検査は、視力検査のみです。片眼の視力が左右それぞれ0.3以上、両眼合わせて0.7以上あるかどうかをチェックします。
普通第一種免許と条件は同じなので、気楽に受けましょう。
手順3:学科試験に合格する
適性検査に通過すると学科試験の教室に案内され、学科試験を受けることになります。
普通二種免許の学科試験内容
- 試験時間50分間
- ◯✕問題90問(1問1点)
- イラスト問題5問(1問2点)
- 合計90点以上取れれば合格
問題を計95問も解くことになるので、考えている時間はあまりありません。しっかり勉強しておかないと、4,800円を何回も支払うことになるため注意が必要です。
手順4:技能試験に合格する
学科試験に合格後、技能試験を受ける日の予約を取ります。都道府県によっては当日に試験を受けることも可能です。
普通二種免許の技能試験内容
- 路上法規走行
- 路上試験課題
- 場内試験課題
- 合計80点以上取れれば合格
技能試験を受ける際には、車両使用料として税込2,850円がかかります。
路上法規走行の概要
普通二種免許の路上法規走行では、安全かつスムーズにルール通りの運転ができているかをチェックします。
- 運転姿勢
- 安全確認
- スムーズな操作
- 交通法規の理解度
- 乗客を意識した乗り心地
これらが主な採点ポイントになります。
日ごろの運転と試験に合格するための運転は全然別モノなので、「運転が上手」だけでは合格できないことを知っておきましょう。
路上試験課題の概要
普通二種免許の路上試験課題は、以下の2種類があります。
- 転回▶1回
- 路端への停車および発進▶4回
転回とはUターンのことで、指示された区間内で安全に転回ができるかをチェックします。もちろん正しい手順があるため、自己流の転回だと減点になる場合がほとんどです。
路端への停車および発進は、試験官の直前指示を受けてスムーズに停車ができるかをチェックします。
停車できる場所を最短で見つけることが求められます。
指示を受けてから一定距離を走行してしまうと減点になるため、常に停車できそうな場所を把握しながら運転する必要があります。
路端への停車および発進のうち1回は「次の横断歩道付近で停車してください」というように、停止禁止場所付近を指示されます。そのまま素直に停車すると減点になるため、横断歩道の場合は5m以上離れて停車するようにしましょう。
場内試験課題の概要
普通二種免許の場内試験課題は、以下の3種類があります。
- 方向変換
- 縦列駐車
- 鋭角
方向変換・縦列駐車はどちらか1方のみを試験で実施します。
方向変換は切り返し3回以内で車体の向きを変え、来た道を戻る手順を採点されます。縦列駐車は、切り返し3回以内で駐車枠の内側に車体を収める試験課題です。
切り返しは1回のみ減点なしで、2回目以降が減点対象となり4回目の切り返しで失格となります。
鋭角は、切り返し3回以内で鋭角コースを通過する課題です。切り返しは3回まで減点なしで、4回目で即失格となります。
車両感覚が身に付いているセンス抜群の方は、自己流でもクリアできる課題です!
手順5:取得時講習を受講して免許証発行
運転免許センター(試験場)で学科試験・技能試験の両方に合格したら、近隣の自動車教習所などで取得時講習を受けます。
取得時講習の内容
- 旅客者講習▶18,600円
- 二種応急救護処置講習▶8,400円
通常であれば2日間かけて、これらの講習を受講する必要があります。
看護師や消防士など特定の資格を持っている人は、二種応急が免除されるケースもあるので参考にしてください。
取得時講習が修了したら、免許センターでようやく免許証の交付を受けることができます。
その際、免許証の交付手数料として税込2,050円がかかるので現金を忘れないように気を付けてくださいね。
普通二種免許を一発試験で合格するコツ
普通二種免許を一発試験で合格するためには、学科試験と技能試験それぞれを対策する必要があります。
学科試験と技能試験それぞれの対策方法について、詳しくご紹介していきますね。
普通二種免許の学科試験対策のコツ
学科試験の一発合格に向けて、おすすめの勉強法は以下のとおりです。
- 当サイトで道路交通法を勉強する
- 問題集を使って試験対策をしておく
当サイトでは歴12年の教習所元教官が、実際に学科教習で教習生に伝えていた内容を記事にしています。学科の内容を網羅的に理解したい方は、下記リンクからどうぞ。
ちなみに二種学科の内容は、試験で3割ほどしか出題されません。
一種学科の基本的な内容も、合わせてしっかり勉強しておくことがとても大切です。
問題集を使って理解度チェックすると効果的
道路交通法の幅広いルールを丸暗記できれば、それに越したことはありません。ただ、問題として出題する箇所というのは「最低限知っておくべき知識」を出題することが多いです。
問題集を活用するメリット
- 出題範囲や出題傾向が把握できる
- 文章的なひっかけ問題を対策できる
- 問題を解くのにかかる時間を把握できる
問題集を使うことで試験の対策ができることはもちろん、二種ドライバーとして知っておくべき最低限の知識を強く印象付けることができます。
学科試験で不合格になる原因の多くは、文章のひっかけに気付かないパターンです!
学科試験の文章問題は90問。ゆっくり時間をかけて文章を読んでいると、制限時間50分はあっという間に過ぎてしまうでしょう。
問題集を活用することで、ひっかけ問題の文脈を対策できます。とにかく問題の数をこなしておけば、ひっかけ文章の兆候なども見抜くことができるでしょう。
問題をすべて解くまでの時間も把握できます。試験では見直しの時間も残しておきたいので、問題集を使って35分程度で解き終えるように練習しておけると良いですね。
こちらの問題集だけで5回分の過去問を解くことができます。一種学科の内容も含まれているので、これ一冊だけでも十分に試験対策はできるでしょう。
お値段も1,000円ちょっとなので、免許取得費用で考えたらだいぶ安いです。試験に落ちたら、また4,800円のお支払いですからね。
中古本は買わないように
道路交通法はちょくちょく法改正があるので、中古本だと新ルールに対応していないケースがあります。買うなら新品がおすすめです。
もしくは当サイトで現行ルールを確認しましょう。
普通二種免許の技能一発試験対策のコツ
技能試験の一発合格に向けて、おすすめの勉強法は以下のとおりです。
- 当サイトで正しい運転方法を理解する
- 試験コースを自分の車で運転しておく
例えばウインカーを出すタイミングひとつでも、遅すぎたり早すぎたりするだけで減点されてしまいます。安全確認も同様で、適切なタイミングで適切な確認が抜ければ減点です。
そういった小さな知識であっても当サイトで学習することができ、すべての記事を無料で読むことができます。
≫技能試験対策(後日更新)
試験コースを自分の車で運転しておこう
運転免許センター(試験場)では、試験コースが貼り出されています。まれに販売している場所もあるみたいですが、どちらにしろ試験コースは事前に把握できるということです。
ぶっつけ本番で一発試験に挑んでも99%落ちるので、準備できるところはしっかり準備しておきましょう。
試験コースを運転するときに意識しておくこと
- ウインカーのタイミングを確認
- 横断歩道と歩行者の多さを確認
- 信号が変わるタイミングを確認
- 駐停車が可能な場所を確認
最低限、これだけは意識して運転するようにしましょう。
右左折のウインカーを出すタイミングを把握する
路上コースで右左折する際に、ウインカーをどの辺りから出し始めるかを決めておきましょう。
ウインカーのタイミングを事前に決めておくことで、本番は安全確認に集中できます。
横断歩道は歩行者が絶対優先
歩行者が渡ろうとしているのに気付かず、素通りしてしまえば即失格となります。
横断歩道の場所を把握しておくことで、早めから歩行者の存在をチェックする余裕が生まれるでしょう。
信号が変わるタイミングを確認
歩行者信号赤になっても、車用の信号がなかなか黄色に変わらない変則的な交差点も存在します。
不用意にブレーキをかければ減点になるため、変わり目を予測できる場所・予測しにくい場所をあらかじめ把握しておくことが大切です。
駐停車が可能な場所を確認
試験では、路上での停車がゴール地点も含めて4回あります。そのうち1回は「横断歩道付近で停車してください」というように駐停車禁止場所を指定されます。
駐停車禁止場所への停車は致命的な減点になるため、コース下見の段階で駐停車が可能な場所を把握しておくと安心ですね。
普通二種免許の一発試験にかかる費用総額
普通二種免許の一発試験を、すべて一発で合格できた場合の費用は以下のとおりです。
受験料 | 4,800円 |
車両使用料 | 2,850円 |
旅客車講習 | 18,600円 |
二種応急救護処置講習 | 8,400円 |
免許証交付手数料 | 2,050円 |
合計 | 36,700円 |
すべてを一発で合格できれば、なんと4万円を切ります。教習所に通った場合は25万円前後かかるので、かなりお得に普通二種免許が取れそうですね。
とはいえ一発試験の合格率は約7%
2015年に普通二種免許の一発試験を受けた数が13,862人に対して、合格者数はわずか1,000人。合格率は7.2%であり、合格者の平均受験回数は13.9回となっています。
実際には、すべて一発で合格する確率はかなり低いと言えるでしょう。
一般受験者が普通二種免許の一発試験にかかる費用の目安
一発試験は、受験する回数が少ないほど安く免許が取れます。重要なのは、何回で合格できるかというところですね。
ちなみに学科試験と技能試験では、1回あたりの受験料が変わります。
受験料 | 車両使用料 | 総額 | |
---|---|---|---|
学科試験 | 4,800円 | 0円 | 4,800円 |
技能試験 | 4,800円 | 2,850円 | 7,650円 |
学科試験よりも技能試験の方が費用が高くなるため、技能試験をいかに早く合格できるかがポイントになります。
一般受験者は技能試験の平均受験回数よりも多く受験している
普通二種免許の一発試験における平均受験回数は2015年で約14回でしたが、一般受験者であれば20回以上は覚悟すべきでしょう。
- 教習所関係者が平均受験回数を下げている
- 我々のような教習所関係者が免許を取る時は、一発試験を受けています。休み時間を利用して教習所でみっちり練習するので、1〜2回の受験で合格しているのが現状です。
一発試験の平均受験回数には、我々のような教習所関係者の受験回数も含まれており、平均を大幅に下げていると言えるでしょう。
一般受験者が普通二種免許を一発試験で取得する費用は約18万円
学科試験を1回で合格し、技能試験を20回で合格した場合の費用は以下のとおりです。
学科試験 | 4,800円 |
技能試験 | 148,200円 |
旅客車講習 | 18,600円 |
二種応急救護処置講習 | 8,400円 |
免許証交付手数料 | 2,050円 |
合計 | 182,050円 |
上記の費用にプラスして、運転免許センター(試験場)に21〜22回足を運ぶための交通費を合わせた金額が免許取得費用になります。
一般受験者が普通二種免許の一発試験にかかる期間の目安
一般受験者が普通二種免許を一発試験で取得するためにかかる期間は、早くても4〜6ヶ月となるでしょう。のんびり試験を受ける方は、1年を余裕で超えるので気を付けてください。
これだけの期間が必要になる理由は2つあります。
- 運転免許センター(試験場)の営業は平日のみ
- 学科試験は毎日実施だが技能試験は予約制
普通二種免許の技能試験に不合格となった場合、次の試験日を予約する必要があります。希望日に予約が埋まっていることもあるため、週1回受験できれば良い方です。
社会人の方は平日に休みを取る必要もあるので、なかなか試験が受けられなさそうです。
まとめ:普通二種免許を一発試験で合格することは可能
普通二種免許を一発試験で取得することは、十分に可能であると言えます。
教習所に通えば25万円前後かかりますが、一発試験であれば努力次第で20万円を切る費用で取得できそうです。
普通二種免許の取得を急いでいないのなら、一発試験にチャレンジする価値は十分にあるでしょう。
合宿免許であれば最短7日で卒業できる
普通二種免許の合宿なら最短7日なので、まとまった休みを利用してサクッと免許取得が目指せます。価格が安い教習所なら18万円台で取得可能です。
一般受験者が一発試験にかかる費用と同額で合宿免許に参加できます。
合宿免許なら交通費も支給されるため、毎回運転免許センター(試験場)に行く交通費と比べると安上がりとも言えますね。
なにより一度まとまった休みを取ってしまえば、平日に毎回休みを取る必要がありません。
一発試験に多少の不安がある方は、合宿免許を検討してみてはいかがでしょうか?
普通二種免許の合宿をやっている人気教習所が知りたい方は、こちらの記事を参考にどうぞ。
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他車種は後日更新します。