- スラロームが全然上手くできません
- 怖くてもうやりたくないです
- でもバイク免許が欲しいのでどうにか克服したい
そんな悩みにお答えします。
この記事を書いている僕は、教習所の教官として12年勤めていました。
バイク教習では1,500名以上を卒業させてきたプロフェッショナルで、バイクの運転を教えることに関しては、どの教官にも負ける気がしません。
尋常じゃないくらいスラロームを怖がっていた女性のお客さんを、4.8秒で通過できるまでに成長を手助けした実績もあります。
この記事を読むことで、スラロームが怖いと感じる理由が理解でき、恐怖心を克服するためのテクニックが分かります。
苦手なスラロームが楽しいと思えるように、ぜひ最後までお付き合いください。
バイクスラロームが怖いと感じる3つの理由
スラロームが怖いと感じる理由は、パイロンの対処が間に合っていないからです。
パイロンの対処が間に合わない理由は3つあります。
- 目線が近すぎる
- 運転姿勢が悪い
- スピードが遅い
実は教習所ごとに教習カリキュラムはバラバラなので、スラロームの練習が何時間目から始まるかは教習所によって違います。
「スラロームが怖い・苦手」と感じるってことは、上記3つの基本が身に付いていない状態で教習が先に進んでしまったのが原因と言えるでしょう。
詳しく解説していきます。
目線が近すぎる→先のパイロンが対処できない
目線が近いというのは、上の画像でいうと赤い点の部分を見ているということです。これから避けるパイロンを見ながら避けているってことになりますね。
スラロームで目線が近いせいで怖いと感じる悪循環
- これから避けるパイロン見ている
- 避け終わるころに次のパイロンを見る
- 見てから避けるまでに対処する時間がない
- 間に合わないからスピードを落としてしまう
- スピードを落とすからバランスを崩してしまう
- バランスを崩して転ぶことで”恐怖心”が生まれる
- 転ぶことへの恐怖心によって目線がどんどん近くなる
まさに悪循環。この状態では、いつまで経ってもスラロームをクリアすることはできません。解決法を言うと、バイクの運転では常に目線を先に向けておくことが超重要です。
卒業検定に限ってパイロンにぶつけてしまう人の原因
練習では上手くできていたのに卒業検定でぶつけてしまう人が多くいます。ぶつけたら失格という意識が強すぎるため、ぶつけないようにパイロンを直視することが原因です。
目線が近いと視野が狭くなり全体の把握が難しくなるので、スラロームの後半でぶつけてしまいがちになります。
スラロームの恐怖心は、目線を意識するだけで9割は解消できます。積極的に前を向いて、スラロームにチャレンジしてみてください。
どんな状況でも目線は先に向けましょう。
目線を先に向ければ、気持ちにも操作にも余裕が生まれる
目線を先に向けておくことで、次に避けるパイロンまで把握することができます。上の画像のようにスタート時から3つ目のパイロンまで見ておくと、1・2本目のパイロンを視野に捉えることができます。
- パイロンを避けながら次のパイロン位置を把握できる
- 次のパイロンを避けるための走行ラインがイメージできる
- 次のパイロンに対して安全な間隔が確保できる
- 間隔に余裕があるため、スピードを上げても対処が間に合う
- スラロームのタイムがどんどん縮まる
こんな具合に、目線を先に向けるだけで良い影響を必ず実感できるでしょう。僕が目線をアドバイスしたお客さんのほとんどが、「すっごいラクになった」「こんなに変化があるなんて不思議」と喜びの声で応えてくれます。
スラロームでおすすめの目線のとり方
- スタート時は3つ目のパイロンを見ておく
- 3つ目のパイロンに差し掛かったらゴールを見る
多くの教官は「常に1つ先のパイロンを見るように」と指導します。これも正解ですが、運転に不慣れなお客さんだと目線の移動が多くてパニックになることも…。
この記事でお伝えする方法なら目線の移動が1回だけなので、考えることも少なくておすすめです。
運転姿勢が悪い→バイクをしっかり傾けられない
スラロームが怖いっていう人ほど、ただバイクに座っているだけの状態になっています。まるでイスに座っているかのように、下半身が超絶リラックスモードになっていませんか?
バイク操作の基本姿勢であるニーグリップを意識する
- ニーグリップとは?
- 両膝でタンクを挟んでバイクと一体化するバランスのとり方。ニーグリップができていないと、スラロームのタイムはせいぜい7秒が限界です。
「運転者の重心」と「バイクの重心」を一体化させないと、バイクをコントロールすることはできません。重心がバラバラだとバランスを崩しやすいですからね。
ニーグリップができないと、そもそもバイクを傾けることができません。
- バイクが傾けられない
- 直線的な動きでパイロンに突っ込む
- 転倒しやすく”恐怖心”が生まれる
こんな具合になり、対処しないとさらに悪化します。
- バイクを傾けるのが怖くなる
- ハンドルだけで避けようとする
- スピードが全然出せなくなる
- ふらついて転倒→”恐怖心”が増す
バイクを傾けても倒れないことが分かれば、恐怖心も和らいでいくでしょう。
ニーグリップを習得すれば、スラローム4秒台も夢ではありません。
誰でも簡単にニーグリップを作れるコツ
膝ではなく、つま先を意識しましょう。両足の親指をバイクに密着させれば、膝に力を入れなくても自然とタンクを挟む形が作れます。
スピードが遅い→ふらついてバランスが取れない
- 急発進が怖いからゆっくり…
- 急ブレーキで転びたくないからゆっくり…
転ぶのが怖いからゆっくり走ろうとする人はかなり多いですが、これは逆効果。バイクはスピードを出しているほうが安定する乗り物です。
自転車の手放し運転だって、スピードが出ていないとできませんよね。
前に進もうとする推進力が強くなるほど、ふらつかない運転ができるようになります。
教習中にスピードを出して転ぶことはほとんどない
バイクの教習中にお客さんが転ぶ瞬間は、ほとんどが発信するときや停止するときです。いわゆる立ちごけってヤツ。スピードを出して派手に転ぶのは急制動くらいでしょう。
慎重な発進・停止を心掛けているのは、悪いことではありません。しかし、慎重なのはクラッチ操作だけで十分です。
スピードまで慎重にするのは逆効果であるということを知っておいてください。
バイクスラロームの苦手を克服する練習法
スラロームは、基礎が身に付いていれば怖いと感じることはなくなります。
教習スタート時のウォーミングアップ走行を使って、くま教官式基礎練習を取り入れてみてください。基礎練習の内容は、発進と停止です。
発進と停止を繰り返し練習する
- おそるおそる発進
- フラフラしながら停止
こんな状態でスラロームがスラスラ通れるようにはなりません。バイクの恐怖心を無くすためには、自分はバイクをコントロールできるという自信を持つことが大切です。
お客さんに自信をつけてもらうために、僕がよく提案する練習法が発進・停止のリピート練習です。
発進練習で意識すべき3つのポイント
- 目線は行き先
- 運転姿勢(ニーグリップ)
- 半クラッチ+アクセルの組み合わせ
上記3つのポイントが癖付くまで、繰り返し練習するのがおすすめです。
そのための練習メニューがこちら。
- 発進に時間をかけない
- 必ずアクセルを使って発進
- 半クラッチを放す前に2速にいれる
- 後方が安全なタイミングですぐ止まる
- 止まる前に1速に落として左足で着地する
- 完全停止したらすぐ発進【時間をかけないほど良い】
とくに重要なのはアクセルをちゃんと使うこと。断言しますが、アクセルを怖がって使わない人はいつまで経っても上達しません。
僕の教習ではこの練習方法を1段階1時限目に20分以上かけて練習させており、女性のお客さんでも1時限目でバイクを乗りこなせるようになっています。
自転車に乗ったことないお客さんが来たときは、さすがに延長してしまいましたが…。
発進・停止を繰り返し練習する4つのメリット
- 時間をかけずに発進することで、半クラッチの精度が上がる
- アクセルを使った発進をすることで、発進時のふらつきが無くなる
- ギアチェンジを積極的に使っていくことで、暴走やエンストが激減する
- 転ばないようにすぐ止まるを意識することで、ブレーキ調節が身に付く
さきほども言いましたが、教習でお客さんが転ぶときはだいたい発進・停止のタイミングです。いちばん転びやすい発進・停止の操作をマスターすれば、怖いと感じるどころかバイク操作に自信がつきます。
発進・停止の操作は、バイク操作のすべての基本です。この基本が身に付けば、スラロームだけじゃなく急制動・指示速度・一本橋も上手に通行できるでしょう。
スラロームでよくある疑問については、こちらの記事で解説しています。
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