- バイク免許でMTとATどっちを取ろうか悩んでいる
- MTは難しそうなイメージがあるけどやっぱり難しいのかな?
- なるべく安くバイク免許が取れる方法を教えてほしい
そんな悩みにお答えします。
この記事を書いている僕は、教習所の教官として12年勤めていました。
ビッグスクーターしか乗らないから、バイク免許はATで申し込むぜ!
そんなお客さんに必ず伝えているのが、バイク免許はATのほうが難しいということ。
こちらの注意喚起を無視してATで強行するお客さんもいますが、
- 教習が延長になる
- 途中でケガをする
- 卒業を諦めて退校する
こういった末路をたどる人が半数以上です。
この記事では、バイク免許はMTが断然おすすめな理由を教官目線で解説していきます。バイク免許は延長料金が発生しやすいので、免許費用で損したくない人は必見です。
バイク免許はMT/ATどっちがおすすめ?【絶対MT】
バイク免許でATをおすすめしない理由は3つあります。
- ATバイクはMTバイクより重い
- ATバイクはMTバイクより小回りが利かない
- ATバイクはMTバイクよりバランスが取りにくい
つまり、MTバイクよりもコントロールが難しいということです。
ATバイクはMTバイクより重い
多くの教習所で採用されているATバイク用の教習車は、SKYWAVE400(スカイウェイブ400)という車種です。
MTバイクはCB400SF(シービー400スーパーフォア)を採用している教習所が多く、2つの車両を比較すると下記のとおりです。
CB400SF | SKYWAVE400 | |
---|---|---|
車種 | 出典:HONDA | 出典:BikeBros. |
全長×全幅×全高 | 2131×750×1085mm | 2270×825×1385mm |
ホイールベース | 1440mm | 1585mm |
シート高 | 750mm | 710mm |
車両重量 | 207kg | 227kg |
MTバイクと比べて、20kgも重いことが分かります。
バイクの引き起こしができない人もいる
- 引き起こしとは?
- 転倒させたバイクを自力で起き上がらせること。教官は同時に2人を教習するので、教習中に転倒させてしまった場合は自分で対処しなければならない。
一番最初の教習で、引き起こしができるまで練習をします。しかし、20kgの差はかなり大きく、引き起こしができないまま1時間終わってしまうことも…。
本来なら1時限目から周回コースを走るところまで進むはずなので、教習が延長となり、延長料金が発生します。
重量が重いと転倒したときにケガしやすい
教習中は、バランスを崩して転倒してしまうことが多々あります。おもに立ちゴケですが、誰でも卒業までに1度は転倒するので覚悟してください。
転倒しそうになったとき、軽い車体であれば踏ん張って支えることも可能です。
しかし、重たいATバイクの場合は、踏ん張っても支えられず転倒してしまうことも。227kgのバイクに足を挟んで骨折するお客さんもいるので注意が必要です。
ATバイクはMTバイクより小回りが利かない
ATバイクはMTバイクと比べて車体が長いので小回りが利きません。
CB400SF | SKYWAVE400 | |
---|---|---|
車種 | 出典:HONDA | 出典:BikeBros. |
全長×全幅×全高 | 2131×750×1085mm | 2270×825×1385mm |
ホイールベース | 1440mm | 1585mm |
シート高 | 750mm | 710mm |
車両重量 | 207kg | 227kg |
ホイールベースの差が14.5cmもあり、教習や検定ではこれが大きな影響を与えます。
ホイールベースが長いことによるデメリット
- 左折が大回りになりやすい
- スラロームでパイロンに接触しやすい
- S字・クランクのパイロンに接触しやすい
左折を大回りすると減点になり、試験中のパイロン接触は一発失格です。
MTバイクとATバイクは試験コースが一緒なので、小回りが利かないATバイクのほうが不利な状況で試験をすることになります。
ATバイクはMTバイクよりバランスが取りにくい
バイクの運転は、バランスの取りやすさが超重要です。ATバイクがなぜバランスが取りにくいのか、理由は3つあります。
- ニーグリップができない
- 低速コントロールが難しい
- シート幅が広いから足付きが悪い
ATバイクでバランスが取りにくい理由について、それぞれ詳しく解説していきます。
ニーグリップはバイクコントロールの超重要ポイント
- ニーグリップとは?
- 両膝でタンクを挟むことをニーグリップという。ニーグリップをすることで、人の重心とバイクの重心が一体化してバランスが取りやすくなる。
下半身全体でバランスが取れるMTバイクに対して、ATバイクには両膝で挟む位置に何もありません。お尻だけでバランスを取る必要があり、コツを掴むのに時間がかかる人も多いです。
ATバイクは低速コントロールが難しい
ATバイクはアクセルだけでスピードをコントロールします。簡単そうに思えますが、慣れるまでは激ムズです。
アクセルを完全OFFにすると転びやすい
自動遠心クラッチが採用されているATバイクは、アクセルを完全OFFにすると動力が途切れます。惰力だけで走行しているので、スピードが落ちるとふらつきやすいです。
ATバイクはスピードを出しているときは安定しますが、教習所の狭いコースではスピードもそこまで出せません。
MTバイクにあるクラッチは、動力を必要な分だけ伝える装置です。
つまり、クラッチコントロールが身に付いていれば、超低速を維持し続けることも簡単ということ。
検定課題である「平均台」「S字・クランク」は、低速を維持し続ける必要があります。ATバイクの場合、不意にアクセルOFFになってしまい、転倒する人が多い課題です。
教習所のコースを走るには、ATバイクのほうが分が悪いと言えます。
ATバイクはシート幅が広いから足付きが悪い
CB400SF | SKYWAVE400 | |
---|---|---|
車種 | 出典:HONDA | 出典:BikeBros. |
全長×全幅×全高 | 2131×750×1085mm | 2270×825×1385mm |
ホイールベース | 1440mm | 1585mm |
シート高 | 750mm | 710mm |
車両重量 | 207kg | 227kg |
シート高を比べるとATバイクのほうが4cm低いので、一見すると足付きが良さそうに思えます。しかし、ATバイクはシート幅が広く作られているので、実はMTバイクのほうが足付きが良いです。
身長160cmくらいのお客さんだと、つま先がギリギリ届くかどうか。MTバイクなら、150cm台の女性でもつま先が届きます。
赤信号や一時停止するときに、足付きが悪いせいで転倒してしまう人が多いです。
MTバイクでもATバイクを体験する教習がある
お客さんのほとんどが「乗りづらい」「MTバイクで良かった」と口を揃えて言います。MTバイクを乗りこなせている人が、ATバイクでコケることもあるくらい。
僕が務めていた教習所ではATバイクはケガが多いから、バイクに慣れてきた第1段階の最後に体験させるカリキュラムを組んでいました。
バイク免許はATよりもMTのほうがコスパ良い
- ATバイクのほうが安く免許が取れそう
- ATバイクのほうが早く免許が取れそう
ATバイクとMTバイクで悩んでいる人は、おそらくこんなイメージがあるのかもしれません。
バイク免許のATとMTの差額は1万5,000円程度
教習所によって金額に差はありますが、だいたい1万5,000円くらいの差しかありません。冒頭でも言いましたが、バイク免許は延長になりやすい特徴があります。
- バイク教習が延長になりやすい理由
- バイクは1人乗りで操作するので、教官による補助ができません。教習中の事故を避けるため、毎時間の到達目標に届かなければ延長料金が発生します。
MTバイクよりもコントロールが難しいATバイクは、教習が延長になるリスクがMTバイクよりも高いです。
教習所の延長料金の目安
- 延長教習料金 → 約4,000円
- 検定再受験料 → 約6,000円
教習が延長になったり検定に落ちたりすれば、そのたびに追加料金を支払わなければなりません。
1万5,000円を浮かせるためにATバイクにしても、数回の延長でチャラになってしまいます。
ATバイクからMTバイクに変更するのは大金がかかる
なんだかMTバイクに乗りたくなってきたわー!
ってなる時がいつか来るかもしれません。そんなときは教習所で「AT限定」を外す限定解除をすることで、MTバイクにも乗れるようになります。
限定解除には時間とお金が余計にかかる
限定解除をするには教習所に入学金を支払い、5時限の教習を受けてから卒業審査に合格する必要があります。
料金や時限数を比較すると、下記のとおりです。
免許なしの通学で比較 | 普通自動二輪AT | 限定解除 | 普通自動二輪MT | 普通自動二輪AT プラス限定解除 |
---|---|---|---|---|
教習料金 | 18万円前後 | 7万円前後 | 20万円前後 | 25万円前後 |
技能教習 | 最短15時限 | 最短5時限 | 最短19時限 | 最短20時限 |
卒業までの日数 | 最短8日 | 最短4日 | 最短9日 | 最短12日 |
結局MTバイクにするのであれば、5万円余計に支払うことになります。目先の1万5,000円節約が霞む金額ですね。
卒業日数はたった1日だけの違い
MTバイクは最短9日で卒業できるのに対し、ATバイクは最短8日と1日違いです。ある程度バイクに慣れていて、教習も検定もストレートに進めば最短日数で卒業できるでしょう。
1回でも教習が延長になれば、最短日数では卒業できません。しつこく言いますが、初めてバイクに乗る人がATバイクでストレートに卒業できる人はほとんどいません。
ATバイクしか乗らないつもりでも、MT免許を取るほうが総合的にコスパが良いです。
ATバイク免許をスムーズに取る2つの方法
どうしてもATバイク免許が取りたい!でも延長料金は払いたくない!
そんな人の助けになる方法が2つあります。
- 原付バイクで練習する
- 250ccの用意がある教習所を選ぶ
①原付バイクで練習する
原付スクーターの操作方法やバランスのとり方はビッグスクーターと一緒です。違うのはサイズと重さだけ。原付スクーターが自転車感覚で乗りこなせるようになれば、ATバイク免許の教習もスムーズに進みます。
すでに車の免許を持っているなら、知り合いの原付バイクを借りて練習してみましょう。
免許を持っていない人でも原付免許は1日で取れる
平日に免許センターで原付免許の試験を受けることができます。1回で合格できれば、1万円以下の費用しかかかりません。
詳細はこちらの記事で解説しています。
②250ccの用意がある教習所を選ぶ
250ccのスクーターを用意している教習所もある
400ccのビッグスクーターは難しいため、ひと回り小さい250ccから練習できる教習所があります。
軽くて操作がしやすい250ccのスクーターから練習を始めれば、いきなり400ccで教習を受けるよりもバイクに慣れやすいでしょう。
お近くの教習所で250ccの取扱いがあるか問い合わせてみてください。近場に無ければ、合宿免許という選択肢もあります。
バイク免許を取るなら合宿免許がおすすめ
合宿免許は、どこよりも安く免許が取れるのが一番の魅力です。安さで比較すると、下記のとおり。
教習車種 | 通学免許 | 合宿免許 |
---|---|---|
【AT小型限定】 普通二輪免許 | 16万円前後 | 合宿では取れない |
【小型限定】 普通二輪免許 | 17万円前後 | 合宿では取れない |
【AT限定】 普通二輪免許 | 18万円前後 | 10万円〜 |
【限定なし】 普通二輪免許 | 20万円前後 | 11万円〜 |
上記は、免許を持っていない人が取る場合の金額です。すでに車の免許などを持っていればさらに安くバイク免許が取れます。
ほかにも合宿免許のメリットは盛りだくさん。
合宿免許の8つの魅力
- 通学免許より圧倒的に安い
- 最短日数で免許が取れる
- 教習延長や延泊が無料保証
- 新しい出会いが豊富にある
- 観光スポットがおトクに利用できる
- ビュッフェやご当地グルメが楽しめる
- 高級ホテルに負けない娯楽サービス
- 交通費支給があるので評判の良い教習所に行ける
合宿免許はメリット尽くしなので、人気の教習所から予約がどんどん埋まります。しかも通学とは違って合宿免許は定員制です。
合宿免許の予約は1〜2ヶ月前に済ませておくのが一般的なので、早すぎることはありません。定員に達する前に、教習所の予約枠を確保しておきましょう。
当サイトでは、教官歴12年の筆者がリサーチした人気の合宿教習所を、車種ごとに紹介しています。下記リンクから希望する車種の教習所ランキングをチェックしてみてください。
【小型二輪免許】
16歳から取得可能な小型二輪免許!125ccまで乗れますよ!
【普通二輪免許】
16歳から取得可能な普通二輪免許!400ccまで乗れますよ!
【大型二輪免許】
18歳から取得可能な大型二輪免許!すべてのバイクに乗れる最上級免許です!
他車種は後日更新します。