駐停車禁止の場所はどこ?5メートルと10メートルの覚え方を元教官が解説
学科試験でいちばん多くの人がつまずくのが、駐停車禁止の場所です。5メートル、10メートル、3メートル……と数字がいくつも出てきて、どれがどこだったか分からなくなります。
でも、覚えることは実はそんなに多くありません。数字ごとにグループをつくって、語呂合わせでまとめて覚えるのがいちばんの近道です。

この記事を書いている僕は、教習所の教習指導員として12年勤めていました。教習所で何百人もの教習生がここでつまずくのを見てきたので、つまずきやすい順に整理しています。
- 駐停車禁止の場所が覚えられない
- 5メートルと10メートルがごちゃごちゃになる
- 駐車禁止と駐停車禁止の違いが分からない
まず「駐車」と「停車」の違いから
場所を覚える前に、言葉の意味をはっきりさせておきます。ここがあいまいなままだと、どの場所がどちらの禁止なのかが頭に入りません。
| 意味 | 例 | |
|---|---|---|
| 停車 | すぐに動かせる状態で、短く止まること | 人の乗り降り、5分以内の荷物の積みおろし |
| 駐車 | すぐに動かせない状態で止まること | 客待ち、荷待ち、故障、5分を超える荷物の積みおろし |
ポイントは「5分」と「すぐ動かせるか」の2つです。人の乗り降りは時間に関係なく停車ですが、荷物の積みおろしは5分を超えると駐車になります。

運転者がそばにいて、すぐに動かせるかどうかが分かれ目です。エンジンをかけたままでも、運転者が離れていれば駐車になります。
駐停車禁止の場所:数字で3つに分ける

駐停車禁止は、駐車も停車もどちらもできない場所です。数字ごとに分けると、覚えるのは3グループだけになります。
| 数字 | 場所 |
|---|---|
| 5メートル以内 | 交差点とその端/道路の曲がり角/横断歩道・自転車横断帯とその前後 |
| 10メートル以内 | 踏切とその前後/安全地帯の左側とその前後/バス停の標示板から(運行時間中) |
| 距離なし | トンネル/軌道敷内/坂の頂上付近/勾配の急な坂(上りも下りも) |
勾配の急な坂は、上りも下りも駐停車禁止です。あとで出てくる「徐行すべき場所」では上り坂が外れるので、ここだけは上り下りの両方が入ると覚えておいてください。
5メートルのグループは、道が交わるところ・曲がるところ・人が渡るところです。
語呂合わせ:「こう・まが・おう で 5メートル」
交差する場所、曲がる場所、横断する場所。どれも「止まっている車があると、見えなくなって危ない場所」です。
- こう=交差点とその端から5m
- まが=道路の曲がり角から5m
- おう=横断歩道・自転車横断帯とその前後5m
10メートルのグループは、ほかの乗り物が関わる場所と覚えると混ざりません。
電車、路面電車、バス。どれも自分より大きな乗り物が通る場所なので、距離も5メートルより長くとります。
- ふみ=踏切とその前後10m
- あん=安全地帯の左側とその前後10m
- ばす=バス停の標示板から10m(運行時間中だけ)
バス停だけは「運行時間中」という条件が付きます。始発前や終バスのあとは、この制限はかかりません。「運行時間中」が抜けている選択肢は、そこがひっかけです。
駐車禁止の場所:停車ならできる
駐車禁止は、駐車はできないが、停車ならできる場所です。こちらは5メートル・3メートル・1メートルの3つに分かれます。
| 数字 | 場所 |
|---|---|
| 5メートル以内 | 消防用機械器具の置場/消防用防火水槽/これらの出入口/消火栓・指定消防水利の標識/道路工事の区域の端 |
| 3メートル以内 | 駐車場・車庫など、自動車用の出入口 |
| 1メートル以内 | 火災報知機 |
こちらは火事に関係するものほど広くあける、と理解すると順番が決まります。
消防車が止まって作業する場所がいちばん広く必要で、報知機は人が押せればいいので1メートル。大きさの順に並んでいます。
- 5m=消火栓・防火水槽・消防機械器具置場・道路工事の区域の端
- 3m=駐車場や車庫の出入口
- 1m=火災報知機

「駐車禁止の場所でも、人の乗り降りのために短く止まるのはよい」という選択肢は正しい文です。停車はできるからです。
駐車の方法:右側に3.5メートル
場所だけでなく、止め方も出題されます。車の右側の道路上に3.5メートル以上の余地がない場所には駐車できません。対向車が通れなくなるからです。
ただし例外があります。荷物の積みおろしで運転者がすぐに運転できるとき、傷病者の救護のためやむを得ないときは、この制限を受けません。
また、標識で余地が指定されているときは、3.5メートルではなく、その標識の数字が優先します。
○×問題で確かめる(全10問)
ここまでの内容だけで解けます。答えを見る前に、まず自分で○か×かを決めてから読み進めてください。
交差点の端から5メートル以内の場所には、駐車も停車もしてはならない。
答え:◯
交差点とその端から5メートル以内は駐停車禁止です。交差点そのものだけでなく、端から5メートルという点まで覚えてください。
踏切の前後5メートル以内は、駐車も停車もしてはならない。
答え:✕
踏切は前後10メートル以内です。5メートルではありません。「ふみ・あん・ばす で10メートル」のグループです。
バスの停留所の標示板から10メートル以内は、運行時間中であっても人の乗り降りのためなら停車してよい。
答え:✕
運行時間中は駐車も停車も禁止です。人の乗り降りのための停車も認められません。
勾配の急な上り坂は、駐停車禁止の場所ではない。
答え:✕
上り坂も下り坂も、勾配が急であれば駐停車禁止です。「徐行すべき場所」では上り坂の頂上付近だけが入るので、そちらと混同しないでください。
火災報知機から1メートル以内の場所には駐車してはならないが、停車はしてもよい。
答え:◯
火災報知機から1メートル以内は駐車禁止です。駐車禁止なので停車はできます。
駐車場の出入口から5メートル以内の場所には駐車してはならない。
答え:✕
自動車用の出入口は3メートル以内が駐車禁止です。5メートルは消防関係の場所です。
人の乗り降りのための停止は、5分を超えても停車である。
答え:◯
人の乗り降りは時間に関係なく停車です。5分の区切りがあるのは荷物の積みおろしのほうです。
車の右側の道路上に3.5メートル以上の余地がない場所でも、傷病者の救護のためやむを得ないときは駐車できる。
答え:◯
傷病者の救護のためやむを得ないときは、この制限を受けません。荷物の積みおろしで、運転者がすぐに運転できるときも同じです。
トンネルの中は、車両通行帯があれば駐車してもよい。
答え:✕
トンネルは車両通行帯の有無にかかわらず駐停車禁止です。「車両通行帯があるから」という理由づけが付いている選択肢は、ここを狙ったひっかけです。
安全地帯の左側とその前後10メートル以内は、駐車も停車もしてはならない。
答え:◯
安全地帯は左側とその前後10メートルが駐停車禁止です。「左側」という言葉まで含めて正しい文になっています。
この記事のまとめ
- 駐停車禁止は5メートル(交差点・曲がり角・横断歩道)と10メートル(踏切・安全地帯・バス停)の2グループ
- 距離のないものはトンネル・軌道敷内・坂の頂上付近・勾配の急な坂
- 駐車禁止は消防5メートル・車庫3メートル・報知機1メートル
- 駐車の方法は右側に3.5メートルの余地。救護や積みおろしには例外がある
- 停車=すぐ動かせる/駐車=すぐ動かせない。荷物は5分が分かれ目